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紅茶のチカラ

年齢によるお茶の「香り嗜好」の違い

紅茶の楽しみのひとつに「フレーバー」があります。高級茶特有の香気だけでなく、人々はできあがった茶葉に、新たな香りを加えて楽しんできました。年齢によってもこの楽しみ方は異なるようです。

年齢によるお茶の「香り嗜好」の違い

子どもの好きなお茶の香り
玄米茶、アップルティー、レモンティーなどのフレーバー好き

フレーバー好きな中学生時代?

子どもの頃の記憶をたどってみると、大人になった現在とは違うお茶を喜んでいました。たとえばリンゴの香りのするアップルティー。中学生のころは人気の飲み物でした。また、レモンの香りのするレモンティーなども同様です。子どものころは、はっきりとした、わかりやすい香りを好む傾向が強いようです。

子どもは「閾値」(いきち)が低いものを喜ぶ?

もっと小さい子どもには、玄米茶が好まれるという話もあります。焙煎した玄米を煎茶に混ぜたお茶が玄米茶。玄米を加熱することで生じる香ばしい香りの成分は「閾値」(いきち)がとても低いもの。人間にとって、微量でも敏感に感じる香りといえます。こうした閾値の低い香り、鼻を近づけただけでも強く感じる、わかりやすい香りを子ども時代には好んでいたように思えます。

年齢によるお茶の「香り嗜好」の違い

大人が好きなお茶の香り
フレーバーは好き。ただし、お茶の持つ固有の香りにも興味が広がる
趣味が深まると、濃いお茶が好きになる傾向も

大人のフレーバーティーとは

こうしたフレーバーティーに使われているのは、それほど高級な茶葉ではありません。一般的な茶葉を使っていますが、大人の嗜好を満足させるフレーバーティーも数多くあります。しかし、茶葉に香りを加えるのは、簡単なことではありません。ジャスミンの香り高い花を摘み、何回も茶葉と合わせることで香りを移すジャスミンティー。柑橘類の香りを移すアールグレイなどは、その香りの高さで、すでに幅広い人に愛されています。ただ、一般的には大人になればなるほど、わかりにくい微妙な(閾値の高い)香りをかぎわけて、そこに喜びを感じる傾向が強くなるといえます。子どもの頃にリンゴやレモンのフレーバーを楽しんでいた人も、年齢を経ると、茶葉本来が発する香りを楽しめるようになります。これが高級茶の楽しみといってもいいでしょう。酸化発酵によって生まれる花のような香りなど、茶葉由来の微妙な香りを楽しめるのは大人になってから、というわけです。

濃いお茶の楽しみ

さらに趣味性が強くなると、濃く、強いお茶を喜ぶ傾向がみられます。たとえば香港などで「潮州料理」を食べた後に出されるお茶は、さかずきに一杯だけの少量ですが、濃度の高い、渋いお茶です。最初は濃くて飲めない、と思いますが、飲み慣れると「これを飲まなくては食事が締まらない」と感じるようになるようです。

今回お話しをお伺いした先生

鹿児島県立短期大学 生活科学科 食物栄養専攻 助教 農学博士 木下朋美氏

鹿児島県立短期大学
生活科学科 食物栄養専攻
助教 農学博士
木下朋美

2000年大妻女子大学家政学部食物学科食物学専攻卒
管理栄養士登録。2002年大妻女子大学大学院
家政学研究科食物学専攻修了。
その後、大妻女子大学助手、鹿児島県立短期大学
生活科学科食物栄養専攻助手などを経て、2008年より現職。
高校生の時にお茶の香りの成り立ちに興味を持ち、
大学4年以降、茶(主に香り)に関する研究に取り組む。

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